訪問看護・在宅介護

【現役看護師が語る】「働きやすい訪問看護ステーション」を見極める4つの重要チェックリスト

「働きやすい訪問看護ステーションって、具体的にどんなところ?」 「失敗しない転職のために、良いステーションの特徴をまとめて知りたい!」

訪問看護への転職や就職を考えているあなた、このように思っていませんか?

私自身、訪問看護師として7年目を迎え、現在もステーションに所属しています。

また、複数の訪問看護ステーションを経験された方からも情報を収集し、現役の訪問看護師のリアルな視点から本記事を執筆しました。

この記事を読めば、「働きやすさ」を重視した訪問看護ステーションの具体的な特徴4つがわかります。

内容は以下の通りです。

  • 働きやすい訪問看護ステーションの特徴① 常勤看護師が7~10人以上いる
  • 働きやすい訪問看護ステーションの特徴② 1ヶ月の超過勤務が6時間未満か
  • 働きやすい訪問看護ステーションの特徴③ キャリアアップできる環境か
  • 働きやすい訪問看護ステーションの特徴④ 事務の専任スタッフがいる

ぜひ、あなたの転職・就職活動に役立ててください。それでは解説していきましょう!

特徴① 【人員配置】常勤看護師が7~10人以上いる

訪問看護ステーションは、最小で常勤換算2.5人で運営が可能です。しかし、規模が小さいことには、業務負担や急な対応の面でリスクが伴います。

厚生労働省の資料にもあるように、看護職員規模が大きいステーションほど、業務の効率化やサービス提供の充実につながると考えられます。

訪問看護ステーションを看護職員規模別に見ると、4人未満が40.4%、4人~7人未満が37.8%、7人以上が21.8%となっている。
○ 看護職員規模の大きい訪問看護ステーションほど、看護職員1人当たりの平均訪問回数が大きくなっており、業務の効率化等を通じて、より多くのサービス提供が行えているものと考えられる。

引用:看護師等(看護職員)の確保を巡る状況 P72(厚生労働省)

看護師の人数が多いのは下記のようなメリットもあります。

看護師の人数が多いことのメリット 詳細
訪問調整が容易 子どもの体調不良などで急な休みが必要な場合も、訪問調整がスムーズ。有給も取りやすい環境に!
業務負担の分散 仕事が分散され、一人ひとりの負担が軽減。精神的な余裕が生まれます。
質の高い知識吸収 困った時に複数の専門家に相談できる。「精神科はこの人、小児はこの人」と得意分野ごとに教えを請えるため、スキルアップにも最適です。
さとの
子育て中は子どもの体調不良で勤務を休むことが多くなるので、人数が多いのは明確なメリットですね。休ませてもらえるのは本当にありがたいです

多少の偏見がありますが、病院での勤務が難しくなり、訪問看護ステーションに転職されるという方もいます。

私自身は子どもが1歳のときに訪問看護に転職し、転職3日後に子どもが発熱したので休みました。その後も子どもの体調不良で何度も休んでいます。

病院勤務だと休めなかったことも何度かありましたが、比較的規模の大きい訪問看護ステーションにいたことが幸いし、お休みを頂けました。

「子どもが小さい時はお互いさま」と、訪問看護ステーションのスタッフに言ってもらえて気が楽になった経験があります。

育児しやすい環境を求めて訪問看護を選択する際は、人数が多く、休める環境であることを考慮して就職活動をしましょう。

育児中でない場合でも、看護師人数が多い訪問看護ステーションがお勧めです。

色々な看護師方に相談できますし、多くのことを吸収できます。訪問看護師という仕事は、精神・内科・外科・小児・緩和など幅広い知識と経験が求められます。

相談先が多いというのは、それだけで精神的な負担も少なくなります。

特徴② 【残業時間】1ヶ月の超過勤務が「6時間未満」が目安

病院勤務と異なり、訪問看護は基本的に定時で帰れることが多いのが魅力の一つです。

日本看護協会の調査(2014年)によると、「超過勤務をした」と回答した訪問看護師のうち、「6時間00分以下」が最も高い割合でした。特に、管理職ではない看護師に限れば、半数近くがこの基準を満たしています。

「超過勤務をした」と回答した人(1,690 人)の 1 か月間の超過勤務時間合計は、「6時間 00分以下」が 38.2%で最も割合が高く、以下「6時間 01 分~12 時間 00 分」(22.0%)、「12 時間 01分~24 時間 00 分」(18.5%)と続き、平均超過勤務時間は 13 時間 27 分となっている。

引用:2014 年 訪問看護実態調査 報告書 P24(公益社団法人日本看護協会)

転職先を選ぶ際は、面接時や見学時に具体的な残業時間の実態を確認してみましょう。

「1ヶ月の超過勤務が6時間未満」かどうかは、一つの(目安)として考えて良いでしょう。

特徴③ 【成長環境】キャリアアップできる制度があるか

専門性の高い知識やスキルは、訪問看護師としての価値を高めます。国も専門性の高い看護師による訪問看護を推進しています。

訪問看護で重宝されるキャリアアップ資格には、以下のようなものがあります。

  • 「在宅ケア」「皮膚・排泄ケア」「緩和ケア」などの認定看護師
  • 特定行為研修修了者
  • 在宅看護の専門看護

特に「皮膚・排泄ケア」や「緩和ケア」などの認定看護師がいる訪問看護ステーションは「専門管理加算」を取得できます。

利用者にとっても高度なケアが受けられるメリットがあります。

キャリアアップ支援制度(研修費用補助など)や、資格取得後の給与への反映について、事前に確認することは重要です。

特徴④ 【事務作業】事務の専任スタッフが常駐している

小規模なステーションでは、書類整理、カルテチェック、請求書作成、物品管理などの事務作業を看護師が兼任することが多くなりがちです。

看護師が本来の業務に集中するためには、事務の専任スタッフの存在が不可欠です。

  • 書類整理、計画書・報告書の送付
  • 請求書・領収書作成、保険証管理
  • 備品や車両(バイク・自転車)の管理、修理手配
  • IT機器の設定・修理

比較的規模の大きいステーションであれば、専任の事務スタッフが2〜3人常駐しているケースが多く、看護師の雑務負担が大幅に軽減されます。

働きやすさを測る上で、「事務スタッフの人数」も必ずチェックすべき重要な項目です。

📝 まとめ:あなたの理想の職場を見つけよう!

働きやすい訪問看護ステーションを見極めるための4つの重要チェックリストをまとめました。

働きやすいステーションのチェックポイント
1. 常勤看護師が7~10人以上いるか(急な休みや相談体制の充実)
2. 1ヶ月の超過勤務が6時間未満か(ワークライフバランスの確保)
3. キャリアアップできる環境があるか(成長と専門性向上)
4. 事務の専任スタッフが常駐しているか(看護業務への集中)

これらの項目に多く該当するステーションは、比較的規模が大きく、スタッフにとっても利用者にとっても良い環境である可能性が高いです。

あなたの転職活動や就職活動が成功し、理想の職場で活躍できることを願っています!

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