「働きやすい訪問看護ステーションってどんなところ?」
「良い訪問看護ステーションの特徴があったらまとめて欲しい」
訪問看護ステーションの転職や就職に役立つ、良い訪問看護ステーションの特徴を知りたくありませんか?
私は訪問看護師5年目で、私自身も訪問看護ステーションに所属しています。
複数の訪問看護ステーションに転職経験のある方からも情報を得ながら本記事を書きました。
本記事では、現役訪問看護師の視点で、働きやすい訪問看護ステーションの特徴を紹介します。
記事内容は以下の通りです。
- 働きやすい訪問看護ステーションの特徴① 常勤看護師が7~10人以上いる
- 働きやすい訪問看護ステーションの特徴② 1ヶ月の超過勤務が6時間未満か
- 働きやすい訪問看護ステーションの特徴③ キャリアアップできる環境か
- 働きやすい訪問看護ステーションの特徴④ 事務の専任スタッフがいる
それでは、はじめていきましょう。
働きやすい訪問看護ステーションの特徴① 常勤看護師が7~10人以上いる
准看護師・看護師・保健師の常勤者も含めて最小で2.5人いれば、訪問看護ステーションは運営と業務が行えます。
常勤換算という数え方で、週20時間勤務の非常勤スタッフは0.5人としてカウントされます。
要するに、常勤2名+非常勤1名の最小3名でも、訪問看護ステーションとして業務が行えるということです。
訪問看護ステーションの規模は大小さまざまで、厚生労働省の資料によると下記のようになっています。
訪問看護ステーションを看護職員規模別に見ると、4人未満が40.4%、4人~7人未満が37.8%、7人以上が21.8%となっている。
○ 看護職員規模の大きい訪問看護ステーションほど、看護職員1人当たりの平均訪問回数が大きくなっており、業務の効率化等を通じて、より多くのサービス提供が行えているものと考えられる。
資料にも書かれていますが、訪問看護ステーションの規模が大きい方が、サービス提供も充実していると考えられるという意見には私も賛成です。
看護師の人数が多ければ、体調悪化によって訪問看護の増回を希望した場合や、緊急訪問が増えた場合の対応に関してスムーズと言えます。
看護師の人数が多いのは下記のようなメリットもあります。
- 子どもの体調不良などでスタッフが急に休む場合でも、訪問調整が可能
- 仕事が分散されるので、一人一人の仕事負担が少ない
- 有給を使って平日休みもとれる
- 困った時に相談できる人が複数人いる
多少の偏見がありますが、病院での勤務が難しくなり、訪問看護ステーションに転職されるという方もいます。
私自身は子どもが1歳のときに訪問看護に転職し、転職3日後に子どもが発熱したので休みました。その後も子どもの体調不良で何度も休んでいます。
病院勤務だったら休めなかったことも何度かありましたが、比較的規模の大きい訪問看護ステーションにいたことが幸いし、お休みを頂けました。
「子どもが小さい時はお互いさま」と、訪問看護ステーションのスタッフに言ってもらえて気が楽になった経験があります。
育児しやすい環境を求めて訪問看護を選択する際は、人数が多く、休める環境であることを考慮して、就職活動をしましょう。
育児中でない場合でも、看護師人数が多い訪問看護ステーションがお勧めです。
複数の方に相談できますし、多くの看護師から様々なことを吸収できます。
訪問看護師という仕事は、精神・内科・外科・小児・緩和など幅広い知識と経験が求められます。
看護師ごとに得意な分野があり、看護師が多くいれば相談先が増えます。
「精神科のことは〇〇さんに聞こう。小児は〇〇さんがいいか」というように分野ごとに聞く人を分けるのは、とても有効ですし、勉強になるのでお勧めです。
働きやすい訪問看護ステーションの特徴② 1ヶ月の超過勤務が6時間未満か
病院勤務だと「緊急入院」「処置」「急変対応」「業務後の記録・雑務」が多く、定時で終わることはほとんどありません。
訪問看護ステーションごとに勤務終了時間は異なりますが、基本的には18時までには定時を迎える事業所が多いです。
訪問看護も緊急で利用者の対応・訪問するというケースはありますが、基本的には定時には帰れることが多いです。
『2014 年 訪問看護実態調査 報告書』によると、
「超過勤務をした」と回答した人(1,690 人)の 1 か月間の超過勤務時間合計は、「6時間 00分以下」が 38.2%で最も割合が高く、以下「6時間 01 分~12 時間 00 分」(22.0%)、「12 時間 01分~24 時間 00 分」(18.5%)と続き、平均超過勤務時間は 13 時間 27 分となっている。
となっています。
また、同資料を読むと超過勤務をしているのは「管理者」「中間管理職」が多いと書かれており、管理職ではない看護師の半数近くは、1ヶ月あたり6時間未満の超過勤務だったと回答しています。
働きやすい訪問看護ステーションの特徴③ キャリアアップできる環境か
訪問看護で重宝されるキャリアップとして以下があります。
- 「在宅ケア」「皮膚・排泄ケア」「緩和ケア」「人工膀胱ケア」の認定看護師
- 特定行為研修修了者
- 在宅看護の専門看護師
専門性の高い看護師による訪問看護の推進は国からも勧められています。
特に「皮膚・排泄ケア」「緩和ケア」「人工膀胱ケア」の認定看護師は、利用者に専門的な管理を行った場合、訪問看護ステーションは「専門管理加算」という加算を取ることができます。
利用者も認定看護師による高度な管理を受けることができ、訪問看護ステーションも加算をとることができるとなれば、正に三方良しと言えます。
認定看護師などの資格を取得した場合、給与にどれだけ反映されるかは訪問看護ステーションによって異なります。
キャリアアップの推進・給与の反映については、確認しておくと良いでしょう。
働きやすい訪問看護ステーションの特徴④ 事務の専任スタッフがいる
事務のスタッフがいるかどうかは重要です。
小規模の訪問看護ステーションで事務スタッフがいない場合、多くの事務仕事を請け負う可能性があります。
事務仕事というのは多岐にわたります。
- 書類整理、カルテチェック、計画書と報告書の送付、FAX処理
- 保険証などまとめ
- 領収書、請求書作成
- バイクや自転車の整備費請求
- 物品管理
- スマホ、パソコン設定、修理など
常勤が5-7人以上いて、利用者も多い訪問看護ステーションであれば、専任の事務スタッフが常駐しているケースが多いです。
事務スタッフの人数が多ければ多いほど、仕事が分散されますし、事務スタッフのおかげで看護師業務に集中できます。
ステーションの規模にもよりますが、事務スタッフが2~3人いると看護師の事務作業が減り、雑務処理が少なくなります。
働きやすい職場を探すためにも、事務スタッフの人数も確認しておきましょう。
まとめ
働きやすい訪問看護ステーションの特徴をまとめると、
- 常勤看護師が7~10人以上
- 1ヶ月の超過勤務が6時間未満
- キャリアアップできる環境
- 事務の専任スタッフがいる
ということが挙げられます。
比較的規模が大きい訪問看護ステーションであれば、上記に該当するところは少なくありません。
転職活動などの際に参考になれば幸いです。
では、また!