介護保険の制度は知っているけど、漠然としていて困っていませんか?
「介護保険って聞くだけで難しい気がする。介護保険の制度を簡単に解説して欲しい」
「介護保険の1号とか2号とか、被保険者って何?介護保険の対象者って結局何なの?」
そのように疑問に思っている方も多いと思います。
本記事では、
- 介護保険ってどんな制度?
- 介護保険って誰が運営しているの?
- 介護保険って誰が使えるのか?
- 介護保険の第1号被保険者とは
- 介護保険の第2号被保険者とは
これらについて解説していきます。
介護保険ってどんな制度?
介護保険の財源の内訳は以下の通りです。
- 国が25%を負担
- 都道府県が12.5%を負担
- 市町村が12.5%を負担
- 介護保険の被保険者が50%を負担
介護保険の被保険者とは、介護保険料を支払っている40歳以上のすべての人を指します。
介護保険は、原則として40歳以上のすべての国民が「強制加入」となり、保険料を支払っています。
そのため、40歳以上のほとんどの人が介護保険の被保険者という認識で問題ありません。
例えば、
- 会社員は満40歳から健康保険料と一緒に介護保険を納付
- 自営業は国民健康保険に上乗せして介護保険料を納付
- 65歳以上は年金から介護保険料を納付
みんなでお金を出し合う介護保険というシステムがあるおかげで、介護保険を使う人は1-3割の自己負担で済む、となっているのですね。
介護保険は誰が運営しているの?
介護保険における国、都道府県、市区町村は以下の通りです。
- 国が介護保険制度をつくり、方針を決める
- 都道府県が(市区町村を)指導、援助する
- 市区町村が介護保険制度の運営を行う
介護保険の運営の主体は市区町村です。
介護保険の申請は、市区町村の介護保険課や地域包括支援センターなどが窓口になります。
自治体ごとに介護保険の窓口が異なる場合があるので、初めて訪れる場合は問い合わせておくのがお勧めです。
介護保険の申請場所、書類、代行申請については、下記に解説しています。
介護保険って誰が使えるのか?
介護保険を使えるのは以下の人です。
- 65歳以上の第1号被保険者
- 40歳以上65歳未満の医療保険者である第2号被保険者
大前提として介護保険を使う場合は、介護保険の申請をして認定される必要があります。
介護保険の第1号被保険者とは
介護保険によける第1号被保険者は以下の通りです。
- 65歳以上で、介護が必要になった方
- 介護が必要になった原因を問わない
- 介護保険の申請をして、要支援・要介護と認定される
65歳以上の被保険者が、介護保険の申請をして認定されると、介護保険を用いたサービスを利用できます。
第1号被保険者の方は、介護保険の申請をするのに原因を問いません。
原因を問わないので、例えば明らかな病気の診断がつかなくても、介護保険を利用できる可能性があります。
第2号被保険者とは
介護保険によける第2号被保険者は以下の通りです。
- 16特定疾病に該当して、疾病によって介護が必要になった
- 40歳以上65歳未満の医療保険加入者
- 介護保険の申請をして、要支援・要介護と認定される
以下が16疾病です。
- 末期がん(医師が医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したもの)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
16疾病を発症すると、3ヶ月以上継続して介護が必要にある割合が高くなります。
介護の費用や負担が大きくなるので、サービスを使って、生活を保って欲しいという国のメッセージでもあります。
40歳以上65歳未満の方は、特定疾病に該当し、特定疾病が原因で介護が必要になったと認定されれば、介護保険を使うことができます。
介護保険の第2号被保険者の例外
*生活保護を受けている40歳以上65歳未満の方は、介護保険を利用することができません。
65歳未満の生活保護の方で介護が必要な場合は、生活保護の「介護扶助」というサービスが適用になります。
まとめ
介護保険制度とは「国、都道府県、市町村、40歳以上の人がお金を出し合って、介護する人のお金の負担を減らす」のこと。
介護保険制度の運営主体は市町村。
介護保険を使えるのは、以下の2パターン。
- 65歳以上の第1号被保険者
- 40歳以上65歳未満の医療保険者である第2号被保険者(16の特定疾病に該当)
第1号被保険者も第2号被保険者も介護保険を使う場合は、申請をして、認定される必要がある。